楽譜のサイズや用紙はどうやって選べばよい?楽譜の印刷製本のポイントとは?

『ピアノやギターの曲を印刷製本して出版したい』
『オーケストラや吹奏楽団・合唱団のコンクールがあり、多数の楽譜が必要になった』
『教室をひらくので、オリジナルの教本を作成したい』
このように楽譜を印刷製本したいとき、どのような注意点があるでしょうか。
楽譜は、歌ったり楽器を演奏したりしながら、並行して読む必要がある印刷物です。
そのため、他の印刷物よりも速読のしやすさやページのめくりやすさが重要になります。
今回は、楽譜の種類に合わせたサイズ、読みやすい用紙の選定方法、製本方法についてご紹介します。
サイズはB5、A4、菊倍判が主流
ひとくちに楽譜といっても、明確にサイズの規定はありません。
ただ、音楽のジャンルや冊子の種類によって、好まれるサイズが異なります。 一般的によく使われるサイズをジャンルごとにご紹介します。
■クラシックピアノピース
クラシックのピアノ曲、一曲のみの楽譜を指します。
ヤマハピアノスコアやドレミ楽譜出版社など、日本製のものの場合、ほとんどが横228mm×縦305mmです。
海外製はサイズが様々ですが、縦横ともに日本製楽譜との違いはプラスマイナス5mm程度です。
■教本・曲集
ピアノのバイエルやソナタなどの教本、ギターの曲集などがあります。菊倍判が好まれます。
■ポピュラーミュージックピース
ポップスやロックなどの大衆音楽の、一曲のみの楽譜を指します。
ピアノやギター、バンドの楽譜があり、B5サイズがメインになりますが、A4や菊倍判も散見されます。
多くの楽譜を出版しているフェアリー社のものはB5サイズです。
■吹奏楽スコア
フォスターミュージック社、ウィンズスコア社、ミュージックエイト社など主要な出版社ではA4サイズの楽譜を多く出版しています。
■合唱スコア
横225mm×縦320mmの楽譜が多いです。
※菊倍判とは…
A4よりひとまわり大きいサイズ(横218mm×縦304mm)です。
現代の一般的な印刷物ではあまり使用されませんが、クラシック分野の楽譜では昔から多用されています。
また、楽譜のサイズを考えるにあたって、譜面立てのサイズも参考にできます。
ピアノには譜面棚がついており菊倍判でも十分に収まります。
それ以外の楽器の場合は譜面立てを奏者の前に置いて演奏します。
一般的な譜面立てのサイズは、横の寸法が400mmから490mm、縦の寸法が220mmから350mm程度です。
これに楽譜を開いて置いたとき、使用可能なサイズは菊倍判以下、規格サイズで言えばA4、B5、A5が該当します。
それぞれのメリット・デメリットをまとめました。
■菊倍判、A4サイズ
譜面立てから頭が出る状態になることが多く、ページがめくりやすい。
小さい譜面立ての場合、不安定になりがち。
■B5サイズ
譜面立てよりも楽譜の方が縦横とも小さくなることがあり、落ちたりぐらついたりする心配が少ない。
持ち運びやすい。大きい楽譜よりも見にくい。
■A5サイズ
大きい楽譜に比べて見にくい。小さくて軽いので持ち運びやすい。
使用する楽器や状況に合わせて選ぶと良いですね。
読みやすくページをめくりやすい用紙を選ぼう
楽譜は、楽器を演奏しながら読むことが多いため、読みやすくページをめくりやすい用紙を選ぶ必要があります。おすすめするのは書籍用紙、上質紙です。
■書籍用紙
一般的に書籍の本文に使用される印刷用紙で、クリームキンマリ、琥珀といった銘柄があります。
真っ白ではなく淡いクリーム色をしているため、目が疲れにくく文字を読みやすい特性があります。
発表会のピアノピースなど、速読を必要とする場合には特におすすめです。
また、さらりとした手触りでめくりやすい紙質なので、まさに楽譜にうってつけの用紙です。 厚みは72.5kgもしくは90kgが一般的です。
■上質紙
コピー用紙やノートに使用されている上質紙は、文書の印刷に適しています。
表面加工がされていないため光の反射が少なく読みやすい用紙です。
また、楽譜に注意点を記入する方には筆記のしやすさも重要になりますが、上質紙はノートに使用されるほど筆記性の高い用紙です。
手触りはすこしザラザラとした質感のため、めくりやすさも備えています。
スタンダードな用紙でコストが抑えられるといったメリットもあります。
厚みは千円札程度の厚みの70㎏、もしくは冊子の表紙などに使用される90㎏がおすすめです。
おすすめの製本方法は?
楽譜の製本方法は、演奏する楽器や使用するシーン、譜面台のサイズ、ページ数などに合わせて選んでください。
■ピアノピース
ピアノで1曲のみの楽譜を製本する場合は、1ページごとに山折り、谷折りを交互におこなう「蛇腹(じゃばら)折り」が主流です。
中とじ製本では何度もページをめくるため弾くのを中断しなくてはなりません。
無線とじ製本も同じく、すぐに見開きが閉じてしまうので、クリップなどで何度も挟みなおさなければなりません。
蛇腹折りの場合はピアノの譜面棚にすべて開いて置くだけで、演奏中に楽譜を触る必要がなく、演奏に集中できます。
(蛇腹折りは別名、経本折り、アコーディオン折り、ページ数によってはW折り、Z折りなどとも呼ばれます。)
■吹奏楽スコア、ギターピース、バンドピース
吹奏楽やオーケストラでは、楽譜を譜面立てに置いて、演奏しながらページをめくります。 自分のパート外など、演奏中にページをめくることができます。
また、一般の譜面台に収まるサイズである必要があるので、中とじ製本が適しています。
中とじ製本にすると、中心をしっかりとホッチキス止めするので演奏中にばらばらになりません。
さらに、見開きの中心部分まで開くので、演奏中に冊子が閉じてしまうことが少ないのもメリットです。
■教本、曲集
複数の曲を収録する教本や曲集では無線とじ製本が主流です。
中とじ製本は、用紙の厚みにもよりますが40ページ以上になれば針金が届かずと製本できないことが多いからです。
ページ数が多くなりがちな教本や曲集では無線とじをおすすめします。
以上、楽譜の仕上がりサイズ、適した用紙、扱いやすい製本方法についてご紹介しました。
楽器や使用環境に合わせて選定してくださいね。
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