卒園・卒業文集の印刷製本事例|手書き原稿の注意点と用紙選びのポイント

2月から3月にかけては、学校関係の印刷物のご依頼が増える時期です。
なかでも、卒園・卒業に関する印刷物は、この時期ならではのご相談のひとつです。
どれも思いのこもった大切な印刷物のため、私たちスタッフも、いつも以上に丁寧に確認しながら対応しています。
今回は、そんな「卒園・卒業文集」の印刷製本事例をご紹介します。
ご依頼内容
今回ご依頼いただいた卒園・卒業文集の仕様は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
| 冊子種別 | 卒園・卒業文集(無線綴じ冊子) |
| サイズ | B5(タテ型) |
| 用紙 | 表紙:レザック紙(175kg)/モノクロ片面印刷 本文:上質紙(70kg)/モノクロ両面印刷 中扉:色上質紙(中厚口) |
| ページ数 | 表紙4ページ+本文142ページ+中扉6枚 |
| 注文部数 | 120部 |
| 納期 | 4営業日以上発送 |
| 料金 | 85,406円(税込み) |
※掲載している金額は、記事公開時点の参考価格です。価格は今後変更となる場合がありますので、最新の料金は下記ページからご確認いただくか、別途お問い合わせください。
ご依頼の背景

今回ご相談いただいたきっかけは、幼稚園の保護者の方が文集制作の担当になられたことでした。
印刷に関する知識がない状態からのスタートだったため、制作から納品までの全体スケジュールも含めて、早い段階から一緒に進行を確認しながら対応しました。
なかでも特に気にされていたのが、個人ページの入稿方法でした。
各ご家庭で原稿の作り方が異なり、パソコンでデータを作成される方もいれば、お子さまが手書きで書いたものや、写真を貼って仕上げた原稿もあり、そうした紙の原稿も印刷に使えるのか、心配されていました。
また、手書きの原稿は、お子さま一人ひとりの思いが詰まった大切なものです。だからこそ、原稿の取り扱いについても慎重に進める必要がありました。
さらに、今回は100名ほどの卒園生分の原稿を取りまとめる必要があり、担当の保護者の方にとっては大きな負担でもありました。
そのため、入稿直前のやりとりだけではなく、半年前から全体の流れや細かなスケジュールについてご相談をいただきながら、一緒に準備を進めていきました。
手書き原稿作成時の注意点

卒園・卒業文集では、今回の事例のように、お子さま自身が書いた原稿をそのまま印刷するケースが多くあります。
手書きならではのあたたかみがあり、思い出として残しやすい一方で、きれいに仕上げるためにはいくつか気をつけておきたいポイントがあります。
1. 仕上がりサイズで原稿を作成すること
まず大切なのは、仕上がりサイズに合わせて原稿を作成することです。
これは手書き原稿だけでなく、パソコンでデータを作成する場合も同じです。
2. 上下左右の余白の位置を決めておくこと
紙面いっぱいに文字や写真を入れてしまうと、見づらくなるだけでなく、端の部分は切れてしまうことがあります。
余白の幅は厳密でなくても構いませんが、「この枠の中に文字や写真を入れる」というルールをあらかじめ共有しておきましょう。

3. 写真はできるだけ画質のよいものを
写真を掲載する場合は、できるだけ画質のよいものを用意してもらうことも大切です。
画質の低い写真は、印刷したときに粗く見えたり、ぼやけてしまったりすることがあります。
お子さまによって写真の見え方に差が出ることは避けたいため、写真の準備については、事前に案内しておくと安心です。

4. キラキラのシールは避けましょう
また、子どもたちが好むキラキラしたシールや光沢のある飾りを貼って仕上げる場合もありますが、こうした素材は注意が必要です。
印刷では、実物の質感や輝きはそのまま再現できません。
そのため、見た目通りの仕上がりにならないことを事前に伝えておき、できるだけ避けるようにしましょう。
手書き原稿ならではの「あたたかさ」は、大きな魅力です。
だからこそ、原稿づくりのルールをあらかじめ決めておくことで、より見やすく、きれいな一冊に仕上げることができます。
卒園・卒業文集におすすめの用紙とは(本文編)

文字が中心となる卒園・卒業文集では、読みやすさや文集全体の雰囲気を考えて、本文に使う用紙を選ぶことが大切です。
一般的には、モノクロ印刷なら「上質紙」や「書籍用紙」、カラー印刷なら「マットコート紙」がおすすめです。
また、各区切りのページに色紙を入れるのもおすすめです。
印刷用語では、このようなページを「中扉(なかとびら)」と呼びます。中扉には「色上質紙」がよく使われます。
それぞれの用紙には、次のような特長があります。
モノクロ印刷におすすめの本文用紙
● 上質紙
表面に塗料が塗られていないため、光沢やツヤが少なく、落ち着いた印象に仕上がるのが特長です。
文字の多い印刷物と相性がよく、卒園・卒業文集のように文章をしっかり読んでもらいたい冊子に向いています。
一般的には、コート系の用紙に比べて発色はやや控えめですが、トナーを使うデジタル印刷ではにじみや染み込みが起こりにくく、十分きれいに仕上がります。
価格面でも比較的使いやすく、文集づくりでは定番の用紙です。
● 書籍用紙
少しクリームがかったやさしい色合いが特長の用紙です。
書籍や小説など、文字を中心とした冊子の本文によく使われており、落ち着いた雰囲気に仕上がります。
真っ白な紙に比べると目にやさしく、長時間読んでも疲れにくいのも魅力です。
そのため、読み物として残したい文集や、あたたかみのある印象に仕上げたい場合にもおすすめです。価格は上質紙よりやや高めになります。
カラー印刷におすすめの本文用紙
● マットコート紙
光沢を抑えた塗料が表面に塗布された用紙です。
白色度が高く、写真やイラストをきれいに印刷できる一方で、ツヤが強すぎないため、文字も比較的読みやすいのが特長です。
カラー写真やイラストを多く使いたい卒園・卒業文集では、見た目の華やかさと上品さを両立しやすく、バランスのよい用紙といえます。
コート紙よりも落ち着いた質感で、やさしい雰囲気に仕上がります。
中扉におすすめの用紙
● 色上質紙
色上質紙は、紙そのものに色がついている上質紙です。
やわらかな色味と豊富なカラーバリエーションが特長で、冊子の雰囲気に変化をつけたいときに適しています。
中扉として使うことで、内容の区切りがわかりやすくなり、見た目にも変化が出ます。
クラスごとやテーマごとにページを分けたいときにも使いやすく、卒園・卒業文集との相性もよい用紙です。
今回ご依頼いただいた卒園文集では、全ページモノクロ印刷で、できるだけ予算を抑えたいというご希望がありました。
そのため、本文用紙には「上質紙」をご提案しました。
また、個人ページではクラスごとの区切りをわかりやすくするために、「色上質紙」を使った中扉を入れました。
「さくらんぼ組」には桃色、「れもん組」には黄色といったように、クラス名に合わせて色を変えることで、見た目にも楽しく、わかりやすい構成に仕上がりました。
卒園・卒業文集におすすめの用紙とは(表紙編)

続いて、表紙に使う用紙についてです。
表紙は本文よりもしっかりした印象に仕上げたい部分なので、印刷の色がモノクロでもカラーでも、「厚めの用紙」を選ぶのがおすすめです。
表紙用紙を選ぶときは、見た目の印象だけでなく、手に取ったときの質感や丈夫さも大切になります。
卒園・卒業文集のように、思い出として長く残しておきたい冊子では、表紙の用紙選びによって全体の雰囲気が大きく変わります。
ここでは、当社でよくご提案している表紙向きの用紙をご紹介します。
● ファンシーペーパー(レザック/マーメイド)
ファンシーペーパーは、特殊紙の一種で、色や風合いが豊富で、装飾性の高い用紙です。
表面に独特の凹凸や質感があり、見た目だけでなく、手に取ったときの印象にも個性が出ます。
やわらかさやあたたかみ、高級感を演出したいときに向いています。卒園・卒業文集のように、記念として残す冊子にも相性のよい用紙です。


● カード紙
カード紙は、厚みとコシがあり、白色度の高いしっかりとした用紙です。
表面には塗工が施されているため発色がよく、特にカラー印刷に向いています。
カラー写真やイラストをきれいに見せたい場合や、耐久性のあるしっかりした表紙にしたいときにおすすめです。
今回ご依頼いただいた卒園文集では、ファンシーペーパーの「レザック」を使用しました。
表紙デザインは、手書き風のイラストでシンプルなもので、印刷もモノクロだったため、レザックならではのエンボス感ややさしい風合いがよく合うと考え、ご提案しました。
紙そのものの質感を活かすことで、表紙にやわらかくあたたかい印象を加えることができ、今回の卒園文集の雰囲気にもよく合っていました。
PP加工で長期間きれいな状態を保ちやすくなります

表紙にコート紙・マットコート紙・カード紙を使用する場合は、あわせてPP加工を施すのがおすすめです。
PP加工とは、用紙の表面に薄いフィルムを貼る加工のことです。
PP加工の主な目的は、表紙の見た目をより美しく見せることに加え、摩擦や汚れ、経年による傷みを防ぎやすくすることです。
卒園・卒業文集のように、思い出として長く残しておきたい冊子では、表紙の耐久性を高めておくことで、きれいな状態を保つことができます。
PP加工には、「グロスPP(ツヤあり)」と「マットPP(ツヤなし)」の2種類があります。
グロスPPは色が鮮やかに見え、華やかな印象に仕上がるのが特長です。
一方、マットPPは光沢を抑えた落ち着いた質感で、やさしく上品な印象に仕上がります。
スマホの画面に貼るツヤありやツヤ無しのフィルムをイメージしていただくと分かりやすいかと思います。
卒園・卒業文集のように、大切な思い出を長く残しておきたい冊子には、表紙をより丈夫にし、きれいな状態を保ちやすくする方法として、PP加工はとても相性のよい加工です。
まとめ

卒園・卒業文集づくりは、原稿集めからスケジュール管理まで、さまざまな準備が必要です。
特に、子どもの人数が多いほど、担当者の負担も大きくなります。
初めて文集制作を担当される方にとっては、不安なことも多いかと思います。
だからこそ、早い段階から相談しながら進めることで、準備や進行もスムーズになります。
「どんな用紙が合うのかわからない」「紙原稿でも印刷できるのか不安」といった場合も、どうぞお気軽にご相談ください。
すぐスール.comでは、卒園・卒業文集づくりを、印刷製本の面から丁寧にサポートいたします。
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